くすりを作るのは難しい 〜アルツハイマー編〜

2016年秋11月23日、

アメリカ製薬大手のイーライリリー(以下[リリー]と簡略します)の株価は

 

1日で100億ドル(約1兆1500億円)

 

吹き飛びました。

 

何故か?

 

アルツハイマー治療薬のソラネズマブ(略称 : ソラ)

 

の治験が失敗に終わったからです。

 

 

アルツハイマーは4段階に分けられています。

簡単に説明しますと、

 

  1. 軽度認知障害

記憶に問題+気分に変動 → 通常の忘れっぽさと識別が困難な記憶障害

 

  1. 軽度の認知症

記憶の小さな欠陥+会話中に思考停止 → うつや不満を経験

 

  1. 中等度の認知症

昔の事は思い出せても、最近の事は思い出せない

→ 以前の馴染み深い人を認識できないこともある

 

  1. 重度の認知症

食事に苦労 → 寝たきり → 配偶者や家族を認識できない

 

徐々に蝕まれていき、当本人が苦しいのみではなく、

その方を支える周りの方々も苦しい、難病です。

 

 

そんな薬を治したい。そう思うのは必然で、

実際にリリーは

 

30年間

 

アルツハイマー病治療薬に取り組んできました。

 

30年 …

この世に生まれて、思春期で悩みながら成長して、学生で弾けて

社会に入り苦労して、パートナーに出会って、子供が生まれ、

少しずつ子供が喋れるようにもなってきた…

 

 

そのくらい長い年月です。

しかも、その開発に

 

30億ドル(約3500億円)

 

かかっています。

サラリーマンが (生涯年収約3億円として)

 

1167周

 

できます。

にも関わらず、治験失敗。

このダメージは非常に大きいはずです。

 

なんでそんなにしてまで追いかけるのか?

「薬を求めている方々のため」であるのは必然である一方、

 

もし開発に成功したら、その薬一つで

 

130億ドル(約1兆5000億円)

 

の利益を生むと言われています。

それは3500億円かけてでも、何とかして成功させよう!

となって不思議ではないですよね。

 

 

 

このソラという薬は

 

< アミロイド >

(脳の消しゴムのような働きをしている、と長年予測されてきた)

 

をターゲットにした薬です。

つまり、「消しゴムよ、止まれ!」 です。

しかし、今回の結果も踏まえ、

 

アミロイドはアルツハイマーの原因じゃないのではないか??

とも言われています。

(ガンマリズムの乱れが原因との声も ... Nature 540, 7632)

 

砂漠で30年と3500億円かけて穴を掘ってきて、やっぱ水が出ない…

という状況なのかもしれない、と。

 

 

一方、

「いや、これは治験の手法の問題で、アミロイドはアルツハイマーの原因だ」

という知識人もいます。

 

まだまだ病因、新規医薬品が追求されていくでしょうが、

 

やっぱり、一つの薬をつくるだけでも大変ですね。

というお話でした。

 

 

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